ComicShare
iOS 用のコミックビューア(画像ビューア、電子書籍ビューア)です。公式サイトは以下になります。
App Store からはこちらで。
私はこのアプリは iOS では最高のビューアアプリだと思います。いや、全ての OS を通じて、このアプリは最高のビューアアプリだと思います。以下にその理由を連ねていきます*1。
データ取得用のプロトコルが完備
データを持ってくるためにはもちろんローカルでのファイルコピーという手段がありますが、現在となっては NAS などのオンライン上のリソースから取得するのが普通だと思います。「ComicShare」はそのためのプロトコルが完備しています(画像参照)。
SFTP のプロトコルでは鍵認証もサポートしています。鍵はさすがにローカルのファイルコピーしか方法はないですが*2、私の知っている範囲では鍵認証に対応しているビューアは「ComicShare」しかありません。これだけでもこのアプリの素晴らしさが分かります。
鍵がローカルに残ってしまうのが残念ですが*3、些細なことだと思っています。→こちら、作者様より、「一度読み込めば削除して問題ない」とのお返事を頂きました。
検索機能
検索機能も充実しています。ローカル部分はもちろん、サーバ側の検索にも対応しています。検索条件も細かく指定できます。
ライブラリ機能が充実している
書籍を管理するための「ライブラリ」という機能も充実しています(画像参照)。
「本棚(さまざまな分類が可能)」、「読書管理」、「ランキング」、そして「感想一覧」まで。
オンライン上からデータをダウンロードするのにストレスがない
オンラインからデータを持ってくるときに「ダウンロード」という過程が入りますが、その部分の管理もがっちりしています。ダウンロードしたいものを次々と選んでダウンロードの待ち行列に放り込んでいけば、あとは待っているだけで完了します*4。→こちら、作者様より、バックグランドのダウンロードについて「全てダウンロードしてからバックグラウンド状態(自動ロック)に移行させるには、設定->ダウンロード->ダウンロード中に自動ロックしないをONにしてください」とのお返事を頂きました。
サーバ機能もある
自らがサーバになる機能も当然にあります。そしてここでも設定項目が充実しています(画像参照)。
まず、証明書(SSL)の設定があるのがすごいです。ビューアでこんなアプリ見たことありません。大抵の利用ではローカルでの通信だと思うので SSL を使う必要はないと思いますが、このような設定があるということで様々な状況に対応し得るというのは魅力です。
そして、サーバの提供内容として指定できるのが「ComicShare」のコンテンツだけではなく、iOS 内の「写真」も指定できます。ご存知のように iOS では「写真」を外に出すのにワンクッション置く必要があります。それがこのアプリをワンタップするだけで完結するというのはとても便利です。
なお、Windows では 50MB を超えるファイルは初期設定では転送上限オーバーで転送できませんが、設定により変更すれば問題ありません。
書籍ごとの「個別設定」が可能
書籍ごとに「画像サイズ(判型)」や「右開き左開き」が異なるのは当然のことだと思います。これらの設定項目が全ての書籍に共通だとするとそれぞれの書籍を開く度に設定をいじらなければいけません。これは大変なストレスです。
しかし「ComicShare」では「個別設定」として、書籍ごとに設定を保持することができます(画像参照)。素晴らしい。もちろんデフォルトとなる「全体設定」もあります(画像参照)。
細部の動作について設定が可能
電子書籍ビューアでは「画面の回転」や「明るさ設定」や「見開き2ページ閲覧時の左右のページ配置修正(単ページ移動対応)」や「一度読み込んだファイルはキャッシュに保持」などの細かいけれども重要な設定ができないと快適度は格段に下がります。「ComicShare」ではそのあたりの設定も備えています(画像参照)。
不満点
不満点は二つあります。
一つ目は、メニューの遷移や階層構造がやや複雑であるという点です。しかし、慣れてしまえば気にならなくなります。ポイントは、メニューの階層構造の最上部に遷移するためには、下に並ぶボタン(「共有」「ローカル」「青空文庫」「その他の機能」「設定」)をタップするということですね。
二つ目は、読書中に「メニュー」を出して各種操作をする際に、下の層のタップが反応してしまう、ということです。例えば、ページ一覧(ジャンプ)を表示させてページ移動のバーを左右に動かそうとしても、下の階層にある「タップエリア」の「左下」「右下」が反応してしまう、ということです。→こちら、作者様より、修正に着手する旨のお返事を頂きました。
結論
とにかく機能が豊富で設定項目も豊富で、このアプリで実現できないことがありません。他のアプリですと「この機能がなんで無いの」となって他のアプリへと渡り歩いていき、最終的な妥協点を決めて渋々使っていたのですが、「ComicShare」ではそれが全くありません。これさえあれば何も要りません。
設定項目が多岐に渡ることはユーザを混乱させることにつながるため、絞るだけ絞った方が良いと一般的には言われています。しかし、アプリの種別によっては盛り込むだけ盛り込んで、ただし、設定メニューは分かりやすくする*5という仕様にすることが求められると思います。コミックビューアというアプリ種別はまさにそれであると思います*6。