以前のエントリで「USB Grabber DM231C」を用いたPSPの画面キャプチャを簡単に紹介しました。今回は具体的にキャプチャしたファイルをどのように扱って最終的に処理するかを説明したいと思います。
概要
録画のCODECはMPEG2、解像度は720x480を選択します。画質はHighestを選んで下さい。フレームレートは29.97fps、ビットレートは8Mbps(CBR固定)で十分でしょう。この設定でもPentium Mクラスのややひ弱なノートPCでコマ落ち、音切れなく録画できます。
録画したファイルは前述したように、黒枠がついているいわゆる額縁状態になっています。これは各種ソフトでクロップしてやる必要があります。フリーソフトならばAviUtl一択でしょうが、自分の場合は他の用途*1もあり、TMPGEncを使っています。値段分の価値はある非常に高性能なソフトだと思います。
具体的な動画生成の環境等を以下に記します。
元動画の詳細。
- MPEG2 720x480 29.97fps プログレッシブ 音声はmp2
- PSPのアスペクト比は4:3で出力しました
クロップ後(エンコード後)の詳細。
- H.264 480x272 29.97fps プログレッシブ ピクセルアスペクト比1:1
- 音声はAAC 48000Hz Stereo 256kbps
- MPEG2ファイルで保持されていたアスペクト比は無視しました
- エンコードの詳しいパラメタは省略しますが、高画質の出力設定にしてあります
クロップ、エンコードには全て以下の環境を用いました。
- TMPGEnc 4.0 Xpress Version 4.7.8.309
これでYouTubeにアップロードするとおそらくUSB Grabber DM231Cでの最高の画質が得られると思います。逆に言えば、これ以上の画質を要求するのは酷です。
ニコニコ動画に関しては最新の情報を知らないのでよく分かりませんが、ビットレート等をうまく調整して再エンコードがかからないようにすればやはり最高画質(ニコニコ動画での)が得られると思います。
今のとこYouTubeの方が融通が利きやすいの*2で、自分はYouTubeを使っていくつもりです。
さて、それでは具体的に録った動画を示します。MHP3の体験版の動画になります。
インラインを好まない方のためにYouTubeのサイト上で見られるリンクも貼っておきます。
http://www.youtube.com/watch?v=HWwkJfqt0eg
エンコードの設定
前述の、大定番の TMPGEnc 4.0 XPress を用いています。以下、エンコードの設定をスクリーンショットで紹介します。AviUtlの場合もx264を用いて同様の設定でできるはずです。
フィルターの設定
次にクロップ等、フィルターの説明をします。使用するフィルターは3つです。
- インターレース解除
- 映像クロップ
- 映像リサイズ
以上の3つについて設定をスクリーンショットで示していきます。
まず「インターレース解除」についてです。これは説明(設定)するまでもないです。元動画がすでにプログレッシブですし、デフォルトの解除設定が 「必要な場合のみ解除」なので、放っておいても勝手に正確に処理してくれます(ただしエンコード時にきちんとプログレッシブに設定しておかないとダメです)。
次に「映像クロップ」です。上下左右を適切にクロップして画面いっぱいに有効画像が表示されるようにします。PSPの解像度は 480x272 なのでそれに合わせます。
最後に「映像リサイズ」です。ここでは全画面表示にしたいので「画面全体に表示(隙間無し)」を選択します。また、「アスペクト比保持」のチェッ クを「外して下さい」。キャプチャ時に4:3 (720x480) で録っており、MPEG2はアスペクト比情報を動画内に所有していますので、このチェックを外さないとアスペクト比が 4:3 のままでエンコードされてしまいます。
「リサイズ手法」は「Lanczos-3」でいいでしょう。
これでフィルター設定は終わりです。色調補正やら音声補正やらは必要に応じてやるとよいでしょう。AviUtlを使う場合でも同様にしてできると思います。
以上で「USB Grabber DM231C」を用いて動画を撮影し、H.264形式にする形まで編集することができました。これから動画を作ろうとしている方への参考になれば幸いです。