Google Analytics における「ページビュー」「セッション」「ユニークユーザ」の違い

「ページビュー」「セッション」「ユニークユーザ」

Google Analytics のデータを正しく読み解くためには用語の定義を正確に理解しておくことが必要です。特にここで挙げる3つの用語については、その定義の違いをしっかりと理解しておかないと誤った結論を導いてしまいます。

3つの語句の定義の違い

ここで3つの語句の定義の違いについて説明します。ベースとなるのは「サイト内の特定の一ページの閲覧に関する数値の計測方法の違い」です。

1. 「ページビュー(数)」

「ページビュー」とは、とにかくそのページが読み込まれた回数を指します。極端な話、一人のユーザがページを 10,000回 リロードした場合、そのページのページビュー数は 10,000 になります。

2. 「セッション(数)」

「セッション」とは、一人のユーザが断続的にアクセスした回数となります。より詳しく言うと、「30分のブランク時間があるとセッションが切れるが、そのブランク時間がない限りのセッションは 1 となる」ということです*1

これまた極端な例になりますが、ある人が 10:00 〜 22:00 までずーーーっと断続的にアクセスしていた場合のセッションは 1 です。

ただし上記の時間帯のうち、例えば 12:00 〜 13:00 は食事で離席した、となるとセッション数は 2 になります。「10:00 〜 12:00」でセッション数が 1、「13:00 〜 22:00」でセッション数が 1 と計測され、合計で 2 になるということです。

日付が変わった場合や、外部サイトに出てから再度戻ってきた場合なども数が増えることになりますが、ここでは詳細は省略します。

3. 「ユニークユーザ(数)」

「ユニークユーザ」は、「1.」や「2.」の内容の行動を行ったとしても、1日あたりの数値は 1 となります。まさに、「その日に何人のユニークなユーザが訪問したのか」ということを示す数値です。

一つ注意点なのですが、この「ユニークユーザ」は、Google Analytics の標準の GUI の操作では表示する方法がありません*2。「カスタムレポート」を作って表示するしかありません*3

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不便だとは思うんですが、私としては、Google は「ユニークユーザ」という指標はさして重要ではないという判断からこのような扱いにしているのではないか、という考えを持っています*4

余談

この3つの語は上記のような意味を持つため、よく耳にする「アクセス数が知りたい」というフレーズは実質的な意味を持ちません。「アクセス数」という語だけでは意味が定まらないからです。

会社や組織で全体として Google Analytics の知見を共有するためには、まずこのような語句の意義を正しく定着させることが必要でしょう。

参考書籍

Google Analytics の入門書としては「わかばちゃんと学ぶ Google アナリティクス」が至高の完成度です。説明が徹底して噛み砕かれており、内容が技術寄りにも営業寄りにも分析寄りにもならず、データを皆で活用してよりよい目標へ向かっていくという観点から書かれています。

以前に私が簡単なレビューを書きましたので、そちらもご参照下さい。

*1:30分 という値は設定によって変更できます

*2:2018-04-10 現在

*3:あるいは API を用いる

*4:推測に過ぎませんが

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