第3の文体(加筆版)

以前のエントリの加筆訂正です)

文体は、大きく分けて2つあると言われています。1つが「だ・である調」、もう1つが「です・ます調」です。今現在書いている文章は後者の文体で書かれています。文末が「です・ます」で終わっているので、「です・ます調」というわけです。

この「文体」を文章の途中で変えると、誰もが違和感を感じるはずである。ほら、今これを読んでいると違和感を感じていることだろう。原則として1つの文章では文体は1つに統一されなければならず、これが守られていない文章は、よろしくない文章ということになる。

文体を戻します。さて、文体の違いが生む「効果」というのは何でしょうか。これは、「読み手との距離」の近接化であると考えます。すなわち、「だ・である調」よりも「です・ます調」の方が、より読み手と近い立場であるように感じると思うのです。

だからこそ、この日記も場合に応じて文体を変えています。読み手と距離を置いていかにも「論じている」という雰囲気を与えるよりも、読み手と近い立場で「話している」雰囲気を与えた方が親しみやすいだろうと考えたからです*1

ただ最近、これら2つの文体に属さない「第3の文体」とも言うべき文体が存在するのではないかと思い始めました。この「第3の文体」では、読み手とさらに近い立場に立って文章を書くことが出来ます。言うなれば「直接話しかけている」雰囲気を与えられる文体です。

具体的にどのような文体が「第3の文体」かというと、次のような言葉を使った文体です。

  • 〜だお。
  • 〜でつ。
  • 〜ますた。
  • (・∀・)イイ!! (顔文字・絵記号)
  • だよ!

いずれも2chが発祥の地ですが(「2典」や「2典索引」に詳しく載っています)、これらの言葉を使った文章は冒頭で述べた2つの文体の範疇には入りません。これらの言葉を使うと、「です・ます調」よりかは確実に親密度の増した文章となり、相手に直接話しかけている印象を与えます。そのため、日記などの文章では多用されている文体です。

実際には、冒頭の2つの文体のどちらかと組み合わせてこの文体が使われます。例えば、文章の最後に顔文字を使うことで、相手との距離を縮めて自分の感情をなるべく直接受け取ってもらえるように表現しているわけです。

ならばこの第3の文体は積極的に使えばいいじゃないか、と思うかもしれませんが、少々のデメリットもあります。それは、あまりよく知らない者がその文章を見た場合、受け入れられない可能性が高まるということです。あまりに直接的に親密さを出している表現なので、まだ相手のことをよく知らない人にとっては少々「怖い」雰囲気があるのです。

まだ知り合ってほとんど期間が経っていない人、または初対面の人に、いきなり肩を組まれたらどうでしょう。そこには、親密さの押し売りが存在します。それを行ってしまう可能性がこの文体には潜んでいるわけです。

どの文体も、使用する場所や場面をわきまえて使うことが何よりも大切なのだと思います。今後のこのブログでのエントリも、なるべく適切な形で文体を使い分けられるようにしたいものです。

*1:必ずしも適切な文体を選べているとは言えませんが…

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