Webでの情報の検索の仕方

商用プロバイダがまだ少なかったインターネット黎明期の1995年頃、インターネット上から情報を得るためには基本的に「リンク」に頼るしかなかった。今では死語に近くなっているが、リンクからリンクをたどってWebを巡回する「ネットサーフィン」によって自分の欲しい情報に近づいていくのが常だった。「AltaVista」という検索サイトがあるにはあったが、当然のことながら日本のWebページは検索の対象外だった。

その後、日本語でも検索できる検索エンジンが数多く現れ*1、栄枯盛衰を繰り返しながら歴史を刻み続けてきており、現在はGoogleの一人勝ち状態になっている。その結果「Google八分」などと呼ばれる現象も起きてきているほどである。

確かにGoogleで検索すれば、アルゴリズム上、もっとも検索語に近いWebページがヒットする確率は高いだろう。ただ、特定の目的のためには他の検索サイト(に近いサイト)を利用する方が内容的にも時間効率的にもいい場合が多い。

そのサイトの一つが「Wikipedia」。最近ようやく人々に知られるようになった、いわゆる百科事典サイトである。ここにはほぼありとあらゆる事柄について、教科書的な網羅情報が掲載されている。サイトはリアルタイムに全世界の人によって更新され、情報は常に最新のものであることが期待できる。

もっとも、記事の内容が公正・中立的なものであること*2が原則であったり、いろいろと制限がある。詳しくはWikipediaの「基本方針」を見れば分かる。このような制限がある以上、前述のようにあくまで教科書のような、事実が淡々と記述されていることが多い。だがこれが有難い。

あるワードについて通り一遍の情報を知りたい場合には、下手に個人や法人のサイトに飛ぶより、全網羅的な押さえ方をしている記述形式の方が情報収集の効率が高い。個人のブログではほんのちょっとした情報だけしか掲載されていなかったり、法人のサイトでは自己に都合のいいことしか書かれていなかったりする場合が多いからだ。

もちろん上記のようなことが言えるためには、Wikipediaの公正・中立性が担保されなければならない。これについては、Wikipediaに掲載されている多くのワードを見る限り、かなり高い程度で認められると思う。

実際にWikipediaでワード検索してみるとよく分かる*3。一般常識的なことから意外な事実まで多くの領域をカバーしている。Webページ特有の「リンク」の概念により、キーワードをたどることでさらに立体的に深く理解が進む。

さて、では一方で、個人の生の声や、ややアンダーグラウンドな情報を得るためにはどうしたらよいか。基本的にはGoogleで複数ワードで検索するのがいいが、意外と知られていない検索方法を2点挙げたい。

1つめは「Google ブログ検索」である。これを使うといわゆるオフィシャルサイトやネット通販のページなどがヒットせず、ブログだけが検索の対象となる。そのため、ある製品の評価を知りたい場合に利用するとユーザーの生の声や意外な情報が分かり有用である。

もう1つは意外かもしれないが「Amazon」や「価格.com」などのネット通販系サイトの書き込みを見ることである。ゲームソフトでのAmazonの感想や、家電製品での価格.comの書き込みは、オフィシャルサイトなんかを見るよりも多くの情報を提供してくれる*4

この点、「2ch」も確かに有用な情報源となりうるが、情報の取捨選択が難しい。また、書き込み内容がそのシステムの性質上、一つのスレッド上で多くのテーマに散らばって議論される形になっているので、情報の断片化・ノイズの混入化が激しい。したがって、情報の取得にかかる時間効率も悪くなりがちであり、中級者以上でないと適切に利用することは難しいと考える。

以上2点の検索方法、もしGoogleのみを使って行き詰まりや効率の悪さを感じるようならば試してみることを推奨する。タブブラウザの「Sleipnir」を使っている場合は検索ボックスの検索先サイトの対象としてWikipediaやAmazonをダイレクトに選択できるので、これを活用するのがよい。

*1:gooの登場は革命的だったのを覚えている

*2:何をもってそう言うかは微妙であるが

*3:おすすめは自分の地元の市区町村名や最寄り駅名

*4:ただし、ノイズが入ることは覚悟しておくこと

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