約束の地

あの日あの時のキャロの想い出

CEDEC2008での岩谷氏の発言に思う、「ファンと制作者の距離」

CEDEC2008での記念セッション

「日本最大級のゲームカンファレンス」である「CEDEC 2008」の記念セッションが、各所でエントリになっています。

スペースインベーダー』の西角氏、『パックマン』の岩谷氏——業界の黎明期を牽引したふたりが語るゲームの“本質 - ファミ通.com
http://www.famitsu.com/game/news/1217944_1124.html


スペースインベーダー」、「パックマン」を生みだした開発者からのメッセージ
http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20080909/kinen.htm


CEDEC 2008】インベーダーとパックマンの生みの親が次世代のクリエイターに贈る言葉 - iNSIDE
http://www.inside-games.jp/news/311/31100.html

内容は重複するところも多いのですが、全部のエントリを読むと微妙な違いがあり、うなづけるところがあります。その中でも特に自分は、ファミ通.comのエントリの次の部分に注目しました。

「いままでいろいろな失敗をしてきましたが、いまになってそれらの失敗が糧になっていると感じています。褒められない、理解されないのはつらいですし、いまのゲーム作りは分担作業ですから、たとえ作品が褒められても自分が褒められる部分はないこともある。そうすると作っているのが楽しくない。プレイヤーの声がじかに制作側に返ってくるような仕組みがほしいところですね」(岩谷)

『スペースインベーダー』の西角氏、『パックマン』の岩谷氏——業界の黎明期を牽引したふたりが語るゲームの“本質 - ファミ通.com

これはまさしく先日エントリで書いた、ファンブログによるファンと制作者との関係についてのトピックではないですか。

ファンの声を制作者に届ける方法

少なくとも岩谷氏*1に関しては、プレイヤーの声がクリエイターに直接届くような仕組みを望んでいます。その発言からすると、そういう仕組みはまだないものと思い込んでしまいます。しかし、プレイヤーがクリエイターに直接声を届ける環境は、インターネットやブログやサイトといったものの成熟により十分に存在し得るものと思うのです。

現実問題として、例えば2chmk2サイト群amazonなどのレビューで多くの声をユーザーはクリエイターに届けようとしています。もちろんそこには「ノイズ」が乗っているでしょうが、それを認めた上でも重要な意見や感想がそれらの文章の中には詰まっています。

問題はシステムにあります。すなわち、制作者側がそれをノイズを除去した状態で見られるようなシステムがなければいけません。プレイヤー側も、クリエイター側に意見が届きやすいように、ある程度は推敲の上で明快な感想なり批判なりを書かなければいけません。そういうシステムは残念ながらまだないと思います。どこぞのネット中間代理会社が、前述のサイトの感想を綺麗にまとめて企業側に送付する、なんていうサービスも考えられますが、自分の知る限りそういうサービスはありません。

でもそういった完璧なシステムを求めるのもどうかと自分は考えています。一般的には、特に企業としては、そういうものを求めるのは当然でしょう。だけれどもその場合、何をもってして「ノイズ」のある文章であり、「推敲が必要な」文章だったりするのでしょうか。切り捨てられる文章とはどんなものなのでしょうか。

例えば幻水Vの感想で、「キャー!カイルかっこいいー!」とか「おじさま最高!フェリドLOVE☆」みたいな文章をそういう文章として扱ってしまうというのはあまりに乱暴すぎると思うのです*2。そしてそれは批判的な文章に対しても同様です。辛辣な表現が並ぶ文章をノイズとして切ってしまっては、そこから何も生まれないでしょう。その批判には、ゲームの改善点のキモとなる真理が隠されているかもしれません。

クリエイター達はブログをもっと活用してほしい

たとえ簡易な表現であれ、辛辣な表現であれ、それはユーザーの心の声として出てきた感想です。それを制作者側としてはやはり極力全部見たいはずです*3。それを実現するための最高の方法は何か。そう、やはりブログ・サイト・掲示板*4ではないでしょうか。

だとすれば、制作者側はブログやサイトを開設し、コメント欄を設けるべきだと思います*5。そして、コメント欄は承認制でよいですが、極力全ての発言を公開することです。それにより、コメントのしやすい雰囲気を作ることができ、さらなるコメントの増加が見込めるからです。逆に言えば、どこでコメントの公開の線引きをするかにより、そのブログやメーカーやゲームの度量を推し量ることができます。

いくつかのブログを購読している自分ですが、やはり「度量が広い」ブログは、そのブログやゲームの界隈が賑わっていると感じます。最後に参考としていくつかのブログを挙げますが、それを読んでいただければ分かると思います。そういうブログやゲーム、ひいてはメーカーは、ゆっくりとじわりじわりとプレイヤーの信頼を勝ち取っていくでしょう。それが結局、誰にとっても*6ハッピーな方向へと向かうことになるのです。

まとめ

CEDECのセッションの中からやや本筋でない部分を抽出し、プレイヤーとクリエイターとの接点について考えてみました。せっかく環境が整っている現在の「ブログ」という手段を生かさないのは、制作者としてもプレイヤーとしてももったいないというのが結論です*7。ブログのエントリやコメントがささやかな「ファンレター」として制作者の方に届くことを、一人のプレイヤーとして切に願っています。

参考ブログ

最後に、上述の例となるようないくつかのゲーム、メーカーのブログを挙げておきます。

どこでもいっしょ」シリーズを制作している会社の社長のブログです。今はPS3の「まいにちいっしょ」で忙しいようですね。

Take it easy!

その「まいにちいっしょ」内のメインサービス、「トロ・ステーション」の掲示板です。

非公式!トロ・ステーション掲示板

セガとチュンソフトのプロジェクトのブログです。今は「428(渋谷)」が話題ですね。TYPE-MOONの参戦も決まりました。

セガチュンプロジェクト 公式ブログ 『金のしおり』

テイルズシリーズの最新作のブログです。コメントは受け付けていないようです。

テイルズ オブ ヴェスペリア 公式ブログ

*1:ゲームセンター「CX」」に出演しておられたので、だいたいの人柄については分かっているつもりです

*2:キャラクターは幻想水滸伝シリーズの「核」でしょう

*3:自分ならそう思います

*4:掲示板は今では廃れてしまった感はありますが

*5:そしてすぐに閉鎖しないでほしい

*6:制作者、プレイヤー、メーカー

*7:「モンハン」のようにイベントを行えるぐらいの規模のものは別格

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